牛飼い

UD 4.3: The Cowherd

“Diso disaṁ yaṁ taṁ kayirā,

📖 現代語訳

このようにわたしは聞きました。あるとき、ブッダは大勢の修行者たちとともに、コーサラ国を旅していました。

やがてブッダは道からそれて、ある木の根元へ行き、用意された座に腰を下ろしました。すると、一人の牛飼いがブッダのもとへやって来て、礼をし、傍らに座りました。ブッダは教えの話をして、その牛飼いを導き、励まし、奮い立たせ、喜ばせました。

すると牛飼いはブッダにこう言いました。「尊い方よ、どうか明日の食事を、修行者の皆さまとご一緒に、わたしのところでお受けくださいませんか」。ブッダは黙ってお受けになりました。

ブッダが承諾されたことを知ると、牛飼いは座から立ち上がり、礼をし、ブッダの周りを右回りに歩いて敬意を示してから、その場を去りました。

夜が明けると、牛飼いは自分の家で、たっぷりの濃い乳粥と新鮮な澄ましバターを用意しました。そしてブッダに使いを送り、「尊い方よ、お時間でございます。お食事の準備ができました」と伝えました。

ブッダは衣を整え、鉢と衣を持って、修行者たちとともにその牛飼いの家へ向かい、食事の場に用意された座に腰を下ろしました。牛飼いは自らの手で、ブッダを先頭とする修行者たちに、濃い乳粥と新鮮な澄ましバターをたっぷりと振る舞い、皆を満足させました。

ブッダが食事を終え、手と鉢を洗い終えると、牛飼いは低い座を取って傍らに座りました。ブッダは教えの話をして彼を導き、奮い立たせ、喜ばせました。そしてブッダは座を立ち、その場を去りました。

ところが、ブッダが去ってまもなく、その牛飼いは村と村の境の間で、ある男に殺されてしまいました。

何人かの修行者たちがブッダのもとへやって来て、礼をし、傍らに座り、起きたことを伝えました。

そのとき、ブッダはこのことを深く受け止め、心からの言葉を述べられました。

「誤った方向へ向かう心は、
憎む者が憎い相手にすることよりも、
敵が敵にすることよりも、
はるかに大きな害をもたらすのです。」