世界
UD 3.10: The WorldKammaṁ nando yasojo ca,
📖 現代語訳
このように私は聞きました。あるとき、ブッダが初めて目覚めを得たばかりのころ、ウルヴェーラーのネーランジャラー川のほとりにある、目覚めの樹のもとに滞在しておられました。そこでブッダは七日間、足を組んだまま動くことなく座り、心が解き放たれた喜びを味わっておられました。
七日が過ぎると、ブッダはその深い集中の状態から出て、ブッダの眼で世界を見渡されました。すると、多くの苦しみに打ちのめされ、欲望と怒りと迷いから生まれたさまざまな熱に焼かれている生きものたちの姿が見えました。
そのことを深く理解されたブッダは、そのとき、心からの言葉をこう述べられました。
「この世界は苦しみの中に生まれ、
感覚の刺激に圧倒されながら、
病んでいるものを『これが自分だ』と言っている。
何であれ『こうだ』と思い込んでも、
実際にはそれとは別のものになってしまう。
この世界は存在し続けることにしがみつき、
存在し続けることに支配され、存在し続けることだけを喜びとしながら、
それでいてまったく別のものに変わっていく。
楽しんでいるもの——それこそが恐ろしいもの。
恐れているもの——それこそが苦しみ。
この清らかな修行の生活は、
存在し続けることを手放すために行われるのです。
『存在し続けることによって
存在し続けることから自由になれる』と言う
修行者や宗教者たちの中で、
誰一人、本当に自由になった者はいない、と私は言います。
『存在しなくなることによって
存在から逃れられる』と言う
修行者や宗教者たちの中で、
誰一人、本当に逃れた者はいない、と私は言います。
この苦しみは、あらゆるしがみつきに依って生まれます。
すべてのしがみつきが終わるとき、
苦しみが生まれることもなくなるのです。
この世界を見てごらんなさい。
ものごとの真実が見えないまま、
存在することを愛してやまない生きものたちは、
存在し続けることから解き放たれない。
存在し続けるどんなあり方も
——どこであっても、すべて——
移り変わるもの、苦しみ、壊れゆくもの。
このことをありのままに、
正しい理解をもって見る人は、
存在し続けることへの渇きを手放し、
かといって存在しなくなることを望みもしない。
すべての渇きが終わること——
薄れゆき、静まり、何も残らないこと——
それが心の完全な安らぎなのです。
何にもしがみつくことなく
心の安らぎに至ったその修行者には、
もはや再び存在することはありません。
戦いに勝ち、悪魔を打ち破り、
あらゆる存在のあり方を超えて行ったのです。」
↑ 七日が過ぎると、ブッダはその深い集中の状態から出て、ブッダの眼で世界を見渡されました。すると、多くの苦しみに打ちのめされ、欲望と怒りと迷いから生まれたさまざまな熱に焼かれている生きものたちの姿が見えました。
そのことを深く理解されたブッダは、そのとき、心からの言葉をこう述べられました。
「この世界は苦しみの中に生まれ、
感覚の刺激に圧倒されながら、
病んでいるものを『これが自分だ』と言っている。
何であれ『こうだ』と思い込んでも、
実際にはそれとは別のものになってしまう。
この世界は存在し続けることにしがみつき、
存在し続けることに支配され、存在し続けることだけを喜びとしながら、
それでいてまったく別のものに変わっていく。
楽しんでいるもの——それこそが恐ろしいもの。
恐れているもの——それこそが苦しみ。
この清らかな修行の生活は、
存在し続けることを手放すために行われるのです。
『存在し続けることによって
存在し続けることから自由になれる』と言う
修行者や宗教者たちの中で、
誰一人、本当に自由になった者はいない、と私は言います。
『存在しなくなることによって
存在から逃れられる』と言う
修行者や宗教者たちの中で、
誰一人、本当に逃れた者はいない、と私は言います。
この苦しみは、あらゆるしがみつきに依って生まれます。
すべてのしがみつきが終わるとき、
苦しみが生まれることもなくなるのです。
この世界を見てごらんなさい。
ものごとの真実が見えないまま、
存在することを愛してやまない生きものたちは、
存在し続けることから解き放たれない。
存在し続けるどんなあり方も
——どこであっても、すべて——
移り変わるもの、苦しみ、壊れゆくもの。
このことをありのままに、
正しい理解をもって見る人は、
存在し続けることへの渇きを手放し、
かといって存在しなくなることを望みもしない。
すべての渇きが終わること——
薄れゆき、静まり、何も残らないこと——
それが心の完全な安らぎなのです。
何にもしがみつくことなく
心の安らぎに至ったその修行者には、
もはや再び存在することはありません。
戦いに勝ち、悪魔を打ち破り、
あらゆる存在のあり方を超えて行ったのです。」