スッパヴァーサー
UD 2.8: Suppavāsā“Asātaṁ sātarūpena,
📖 現代語訳
このようにわたしは聞きました。
あるとき、ブッダはクンディヤーの近くにあるクンダダーナの林に滞在しておられました。
そのころ、コーリヤ族のスッパヴァーサーという女性が、七年もの間身ごもったまま、さらに七日間も難産に苦しんでいました。激しく、鋭く、厳しい痛みに耐えながらも、三つの思いが彼女の支えになっていました。「ああ、ブッダは本当に完全に目覚めた方だわ。まさにこのような苦しみを手放すための教えを説いてくださっている。ああ、ブッダの弟子たちの集いは、本当に正しい歩みをしている人たちだわ。まさにこのような苦しみを手放すために実践しているのだもの。ああ、すべての苦しみから解放された境地は、なんと安らかなのでしょう。そこにはこのような苦しみは存在しないのだから」
そこでスッパヴァーサーは夫にこう言いました。「お願いです、あなた。ブッダのもとへ行って、わたしの代わりにブッダの足もとに額をつけてご挨拶してください。そして、ブッダがお元気で、健やかで、身軽で、力強く、心地よくお過ごしかどうかお尋ねください。それからこう伝えてください。『コーリヤ族のスッパヴァーサーは、七年もの間身ごもったまま、七日間も難産に苦しんでおります。激しく、鋭く、厳しい痛みに耐えながらも、三つの思いが支えになっています。ああ、ブッダは本当に完全に目覚めた方です。まさにこのような苦しみを手放すための教えを説いてくださっています。ああ、ブッダの弟子たちの集いは、本当に正しい歩みをしている人たちです。まさにこのような苦しみを手放すために実践しているのです。ああ、すべての苦しみから解放された境地は、なんと安らかなのでしょう。そこにはこのような苦しみは存在しないのです、と』」
「いい考えだ」と夫は答え、ブッダのもとへ行き、妻の苦しみについて伝えました。
ブッダはこうおっしゃいました。「コーリヤ族のスッパヴァーサーが幸せで健やかでありますように。健やかな子を産みますように」
ブッダがそうおっしゃった瞬間、スッパヴァーサーは幸せに、健やかに、健やかな子を産みました。
「はい、おっしゃる通りです」と、コーリヤ族の夫はブッダの言葉に心から同意しました。座から立ち上がり、ブッダに礼をし、ブッダの周りを右回りに歩いて敬意を示してから、自分の家へと帰りました。
家に着くと、妻が幸せそうに、健やかに、健やかな子を産んでいるのを見て、こう思いました。「ああ、なんと驚くべきことだろう。なんと素晴らしいことだろう。ブッダにはこれほどの不思議な力と威力があるのだ。ブッダがおっしゃった瞬間に、スッパヴァーサーは幸せに、健やかに、健やかな子を産んだのだから」。彼は喜びに満ちあふれ、心は歓喜で満たされました。
それからスッパヴァーサーは夫にこう言いました。「お願いです、あなた。ブッダのもとへ行って、わたしの代わりにブッダの足もとに額をつけてご挨拶してください。そしてこう伝えてください。『コーリヤ族のスッパヴァーサーは、七年もの間身ごもったまま、七日間も難産に苦しんでおりましたが、いまは幸せに健やかに、健やかな子を産みました。ブッダを先頭とする修行者の集いを、七日間のお食事にお招きしたいと存じます。どうかブッダに、スッパヴァーサーからの七日間のお食事をお受けくださいますよう、お伝えください』」
「いい考えだ」と夫は答え、ブッダのもとへ行き、喜ばしい知らせを伝え、妻の招待を申し出ました。
ところがそのとき、ある信者がすでに翌日の食事にブッダを先頭とする修行者の集いを招いていました。その信者は、マハーモッガッラーナが日頃お世話になっている方でした。
ブッダはマハーモッガッラーナにこうおっしゃいました。「モッガッラーナよ、その信者のもとへ行って、こう伝えなさい。『コーリヤ族のスッパヴァーサーは、七年もの間身ごもったまま、七日間も難産に苦しんでいましたが、いまは幸せに健やかに、健やかな子を産みました。ブッダを先頭とする修行者の集いを、七日間のお食事にお招きしたいとのことです。まずスッパヴァーサーに七日間のお食事をさせてあげてください。その後であなたのお食事にいたしましょう』と。あの方はあなたが世話になっている方だからね」
「はい、かしこまりました」とマハーモッガッラーナは答え、その信者のもとへ行き、ブッダの言葉を伝えました。
すると信者はこう言いました。「マハーモッガッラーナさま、もし三つのことを保証してくださるなら――財産と、命と、信じる心です――スッパヴァーサーに先に七日間のお食事をさせましょう。その後にわたしがいたします」
「二つのことは保証できます――財産と命です。しかし、信じる心だけは、ご自身で守るものです」
「マハーモッガッラーナさま、二つのこと――財産と命――を保証してくださるのでしたら、スッパヴァーサーに先に七日間のお食事をさせましょう。その後にわたしがいたします」
こうしてその信者を説得したマハーモッガッラーナは、ブッダのもとへ戻り、こう報告しました。「あの信者を説得いたしました。スッパヴァーサーに先に七日間のお食事をさせ、その後にあの方がいたします」
七日間にわたり、スッパヴァーサーは自らの手で、美味しいさまざまな料理をブッダに差し上げ、心をこめておもてなしをしました。そして幼い息子にも、ブッダと修行者の集いに礼をさせました。
そのとき、サーリプッタが幼い子に声をかけました。「元気にしていますか、坊や。大丈夫ですか。つらいところはありませんか」
すると子はこう答えました。「元気でいられるでしょうか。大丈夫でいられるでしょうか。七年もの間、血の詰まった器の中にいたのですから」
スッパヴァーサーは、「わが子が、ブッダの教えの第一人者であるサーリプッタさまとお話ししている」と思い、喜びに満ちあふれ、心は歓喜で満たされました。
これを知ったブッダは、スッパヴァーサーにこうおっしゃいました。「このような子をもう一人ほしいと思いますか」
「はい、ブッダさま。このような子が七人いてくれたらと思います」
そこでブッダは、このことを深く見通して、感慨をこめてこう語られました。
「楽しみの姿をした苦痛が、
好ましい姿をした嫌なものが、
幸せの姿をした苦しみが、
心の目覚めを怠る人を打ち負かすのです」
↑ あるとき、ブッダはクンディヤーの近くにあるクンダダーナの林に滞在しておられました。
そのころ、コーリヤ族のスッパヴァーサーという女性が、七年もの間身ごもったまま、さらに七日間も難産に苦しんでいました。激しく、鋭く、厳しい痛みに耐えながらも、三つの思いが彼女の支えになっていました。「ああ、ブッダは本当に完全に目覚めた方だわ。まさにこのような苦しみを手放すための教えを説いてくださっている。ああ、ブッダの弟子たちの集いは、本当に正しい歩みをしている人たちだわ。まさにこのような苦しみを手放すために実践しているのだもの。ああ、すべての苦しみから解放された境地は、なんと安らかなのでしょう。そこにはこのような苦しみは存在しないのだから」
そこでスッパヴァーサーは夫にこう言いました。「お願いです、あなた。ブッダのもとへ行って、わたしの代わりにブッダの足もとに額をつけてご挨拶してください。そして、ブッダがお元気で、健やかで、身軽で、力強く、心地よくお過ごしかどうかお尋ねください。それからこう伝えてください。『コーリヤ族のスッパヴァーサーは、七年もの間身ごもったまま、七日間も難産に苦しんでおります。激しく、鋭く、厳しい痛みに耐えながらも、三つの思いが支えになっています。ああ、ブッダは本当に完全に目覚めた方です。まさにこのような苦しみを手放すための教えを説いてくださっています。ああ、ブッダの弟子たちの集いは、本当に正しい歩みをしている人たちです。まさにこのような苦しみを手放すために実践しているのです。ああ、すべての苦しみから解放された境地は、なんと安らかなのでしょう。そこにはこのような苦しみは存在しないのです、と』」
「いい考えだ」と夫は答え、ブッダのもとへ行き、妻の苦しみについて伝えました。
ブッダはこうおっしゃいました。「コーリヤ族のスッパヴァーサーが幸せで健やかでありますように。健やかな子を産みますように」
ブッダがそうおっしゃった瞬間、スッパヴァーサーは幸せに、健やかに、健やかな子を産みました。
「はい、おっしゃる通りです」と、コーリヤ族の夫はブッダの言葉に心から同意しました。座から立ち上がり、ブッダに礼をし、ブッダの周りを右回りに歩いて敬意を示してから、自分の家へと帰りました。
家に着くと、妻が幸せそうに、健やかに、健やかな子を産んでいるのを見て、こう思いました。「ああ、なんと驚くべきことだろう。なんと素晴らしいことだろう。ブッダにはこれほどの不思議な力と威力があるのだ。ブッダがおっしゃった瞬間に、スッパヴァーサーは幸せに、健やかに、健やかな子を産んだのだから」。彼は喜びに満ちあふれ、心は歓喜で満たされました。
それからスッパヴァーサーは夫にこう言いました。「お願いです、あなた。ブッダのもとへ行って、わたしの代わりにブッダの足もとに額をつけてご挨拶してください。そしてこう伝えてください。『コーリヤ族のスッパヴァーサーは、七年もの間身ごもったまま、七日間も難産に苦しんでおりましたが、いまは幸せに健やかに、健やかな子を産みました。ブッダを先頭とする修行者の集いを、七日間のお食事にお招きしたいと存じます。どうかブッダに、スッパヴァーサーからの七日間のお食事をお受けくださいますよう、お伝えください』」
「いい考えだ」と夫は答え、ブッダのもとへ行き、喜ばしい知らせを伝え、妻の招待を申し出ました。
ところがそのとき、ある信者がすでに翌日の食事にブッダを先頭とする修行者の集いを招いていました。その信者は、マハーモッガッラーナが日頃お世話になっている方でした。
ブッダはマハーモッガッラーナにこうおっしゃいました。「モッガッラーナよ、その信者のもとへ行って、こう伝えなさい。『コーリヤ族のスッパヴァーサーは、七年もの間身ごもったまま、七日間も難産に苦しんでいましたが、いまは幸せに健やかに、健やかな子を産みました。ブッダを先頭とする修行者の集いを、七日間のお食事にお招きしたいとのことです。まずスッパヴァーサーに七日間のお食事をさせてあげてください。その後であなたのお食事にいたしましょう』と。あの方はあなたが世話になっている方だからね」
「はい、かしこまりました」とマハーモッガッラーナは答え、その信者のもとへ行き、ブッダの言葉を伝えました。
すると信者はこう言いました。「マハーモッガッラーナさま、もし三つのことを保証してくださるなら――財産と、命と、信じる心です――スッパヴァーサーに先に七日間のお食事をさせましょう。その後にわたしがいたします」
「二つのことは保証できます――財産と命です。しかし、信じる心だけは、ご自身で守るものです」
「マハーモッガッラーナさま、二つのこと――財産と命――を保証してくださるのでしたら、スッパヴァーサーに先に七日間のお食事をさせましょう。その後にわたしがいたします」
こうしてその信者を説得したマハーモッガッラーナは、ブッダのもとへ戻り、こう報告しました。「あの信者を説得いたしました。スッパヴァーサーに先に七日間のお食事をさせ、その後にあの方がいたします」
七日間にわたり、スッパヴァーサーは自らの手で、美味しいさまざまな料理をブッダに差し上げ、心をこめておもてなしをしました。そして幼い息子にも、ブッダと修行者の集いに礼をさせました。
そのとき、サーリプッタが幼い子に声をかけました。「元気にしていますか、坊や。大丈夫ですか。つらいところはありませんか」
すると子はこう答えました。「元気でいられるでしょうか。大丈夫でいられるでしょうか。七年もの間、血の詰まった器の中にいたのですから」
スッパヴァーサーは、「わが子が、ブッダの教えの第一人者であるサーリプッタさまとお話ししている」と思い、喜びに満ちあふれ、心は歓喜で満たされました。
これを知ったブッダは、スッパヴァーサーにこうおっしゃいました。「このような子をもう一人ほしいと思いますか」
「はい、ブッダさま。このような子が七人いてくれたらと思います」
そこでブッダは、このことを深く見通して、感慨をこめてこう語られました。
「楽しみの姿をした苦痛が、
好ましい姿をした嫌なものが、
幸せの姿をした苦しみが、
心の目覚めを怠る人を打ち負かすのです」